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そして現在……。
俺たちはギートの町のほぼ中央にある居酒屋兼宿屋の白熊亭で、
何をするわけでもなくただのんべんだらりんとしているのだ。
貯金もあと残りわずかになり、
この宿に泊まれるのもあと2、3日という火の車一歩手前の状態……。
それもそのはずである。
近頃、めっきりトレジャーハントに成功していないからだ。
ある時はガセの情報を掴まされて空振り……。
また、ある時はお宝一歩手前で強力なイーデルに阻まれ、あえなく退却……。
と、まぁこんな具合だ。
また、旅先で出逢う村人から依頼を受けるような時も稀にあるが、
その報酬といったら知れたものだ。
生活費のほんのわずかな足しにしかならない。
まぁ人助けにはなるし、それに依頼人の喜ぶ顔を見れば、
それまでの苦労は吹き飛んでしまうというものだ。
だから、お礼うんぬんについてはオマケのように考えている。
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