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「……こいつは戻ってくるなりこう答えたのよ。
『宿屋に数十日は泊まれるようになったぞ!』ってね」
「…………」
「その後に、自信満々な顔でこう付け加えたわ。
『形見を売ってきた』って……」
「形見?」
「そう。ノーディのおじいさんの形見。
サファイアとかルビーとかの宝石がちりばめられた、すっごく綺麗な短剣だったんだけど……」
シルビアはそう言うと、少しだけ悲しそうな顔を見せた。
察するに、そのおじいさんはシルビアにとっても大切な人だったのかもしれない。
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