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「俺も行く」
そう言ったのは高橋だ。
「いいの?」
有紀は確認を取る。
「あぁ。助けられなかったからな」
「…分かった」
「有紀、あたし等も行くよ」
「少人数じゃ、すぐに見つからないでしょ」
佳奈とあずを除いた女子が、申し出た。
「ごめんね…あたし動けそうにない…」
あずが泣きながら、みんなに詫びる。
「あずはゆっくりしてて」
有紀はニコッと笑いかけた。
「ゆき…どこいくの?」
ルイスが“状況が分からない”といった様子で聞いてきた。
「ルイスは、ここにいて?あずを守ってあげてね」
「…う、ん」
「よし!」
まだ納得した様子ではなかったが、有紀は話を終わらせた。
「もう来たい人はいない?」
有紀は男子たちに聞いた。
「…俺も……行くよ」
そう言ったのは上田だった。修也との一件で、有紀とは気まずい雰囲気のままだ。
「…他には?」
有紀は一瞬上田を見て、すぐに目をそらした。
「俺も!怖いけど…行くわ!」
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