『白光の魔女の弟子として』

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   三年の月日が流れ、フェロンも一六歳になった。  この時間というものは人の心を緩やかに癒やしてくれるようで、過去のツラい記憶を完全に忘れることはできなくとも、普通に笑えるようにしてくれていた。  二年前からリンドブルム魔術学園に通っているエトとエリーも、今は長期休暇でギルド『カーネリア』に帰ってきている。 「おーっす、フェロン」 「おはよう、エト」  久しぶりに再会したエトは、茶色の髪をセットして洗面所から出てきた所。最近、妙に外見を気にしている。 「久々のギルドだけどよ、やっぱ落ち着くよな。ガキの頃から実家にいるよりもギルドいる時間の方が長かったからだぜ、絶対に」 「うん、なんか毎日のようにギルドで会ってた気がするよ。それより学園はどう? 楽しい?」 「勉強は嫌だけどな。でも年が近いヤツらとの競い合いは刺激になるぜ! まあ、それでもフェロンより強いヤツはいねえんだけどな」 「俺より強い人なんて外にはゴロゴロいるよ。今だってリルアさんに一撃も喰らわせられないもん」  どこか寂しそうに笑うフェロンは、学園に通っていない。  その理由は悪魔の祝福のせいで属性魔術を使えない為に、それを理由に他の生徒、特に貴族からのイジメをリルアが予想したからだ。
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