『白光の魔女の弟子として』

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  「速力の上達は目覚ましいものがある。そこはさすがの血筋というところか。連続攻撃に関しても同様だ」 「全部受けられちゃったけどね……」  総ての斬撃を完全に見切られていた。難なく受け流され、しかも反撃できる隙まで見逃されたのだ。 「当たらないからもう一度ではダメだ。一撃で決しようと考え、その一撃が防がれたのなら仕切り直せ。三撃と最初から決めているのなら、その三撃目を当てることだけを意識し、それ意外の二撃にもガードを崩すなどの意味を込めるんだ」  リルアの助言を自分のものとする為に、これまでの行動と照らし合わせて考える。  これまでフェロンは、一撃目が当たらないから二撃目を。それも避けられたから三撃目を出していた。  逆に一撃目が当たれば二撃目は必要ない、そういう風に考えるだけだったのだ。 「どんな時でも考えてから身体を動かすんだ。無意識の直感だけに頼れば、いつしか必ず後悔することになる」  何も考えず、ただ感覚だけで剣を振り、総てを受けられたフェロンが何を言おうと説得力はなく、しかし言葉通りの腕を持つリルアの言葉には、それがある。  これがリルアの総力ではない。実戦ならば、ここに魔術の力も加わるのだ。
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