『白光の魔女の弟子として』

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   それからも剣を交えながらの復習が続く。それは小手先の技術や身体の動かし方ではなく、本当に基本的な心構えや考え方を中心としたリルアの経験に基づくもの。  例えば、判らないうちは動かず観察に徹しろ、というような基本的なこと。 「剣士に求められることは多くない」  言葉の間にも、刃引きされた模造武器は金属と金属の激突音を響かせる。 「見ること。判じること。動くこと。それだけのことを、どれだけ正確に、しかし素早く行えるかだけだ」 「く……っ!!」  思い知らされる。  頭では理解している。  リルアの動き出しの機微を見て、どこから攻撃が繰り出されるのかを判じ、それを回避して反撃に転じる動き方をしたはずなのに――、  そのフェロンが思い描く理想を、現実のリルアの動きに容易く凌駕される。 「ふむ……」  そう声を漏らして、リルアは模造武器を鞘に収める。それを目にしてフェロンも全身の力を抜く。  正直、剣を持ち続けるのも限界で、 「そこで気を抜いていいのか、フェロン?」 「ふあ? だってもう――」  それは、まさに電光石火と呼ぶに相応しい速度だった。
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