『白光の魔女の弟子として』

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   魔力総量が大きすぎて魔術を行使する時に放出する出口も大きくなりすぎ、そのせいで少しのつもりが大量に流れすぎ、それが原因で魔工品を壊した回数も一回や二回ではない。 「それは全て本物で、フェロンが努力した結果だ。そうだろう?」  それも一理かな、とフェロンは苦笑する。そんな成長した彼を見て、リルアは真顔のまま続ける。 「力には本物も偽物もない。あるのは、どう力と付き合い、どう力を用いるのかだけだ。それに若い頃というのは総じて無茶をしたくなるものだ。私も昔から無闇に力を使うのが好きな性質でな……」 「うん、知ってる」  それから暫く、激闘と呼ぶに相応しい傷痕を残す裏庭に、談笑し合う二人の声が響いていた。
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