『白光の魔女の弟子として』

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  「つかよー、せっかく学園が休みなのに今からお勉強だろ? そっちのがツレーよ、俺は」  そんな言葉と共に始まるエトにとって地獄の時間。だが、知識にはなっても絶対に自分には行使できない講義の時間は、フェロンにとっても少しだけ苦しかったりもする。  それを理解しながら、それでもリルアがフェロンも参加させる理由。それは知っていて損をする知識ではないからだ。 「よし、今回は魔術の原理から復習していくぞ」  ダークブルーのスーツに身を包み、タイトスカートに知的に見せる伊達眼鏡。形から入るリルアの教師風な格好であった。  しかし、そこに頬杖をつくエトがぽつりと反論。 「今回『は』じゃなくて今回『も』だろ」  ドパン!! と全く想像しえない音を立て、エトの額に炸裂する。  爆発することを前提に魔力を込めて放たれたチョークは、その着弾と共に魔力衝撃を針のように貫通させる、という無駄にハイレベルな魔術である。  ちなみに属性を必要とせずに純粋な魔力のみで放てる為、訓練次第でフェロンにも行使できる魔術だ。 「よし、では始めよう」 「は、は~い」  床でピクピク痙攣して白目を剥くエトの姿を見せられ、リルアに逆らおうなどとは微塵も思わないフェロンとエリーなのであった。
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