『白光の魔女の弟子として』

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   ◆ ◆ ◆ 「魔術を行使するには大別して三つのプロセスが必要だ。それはなんだ、エリー」  突然、説明を求められて焦ったのか、エリーはビクッとして人差し指を顎に当て、必死に記憶を探りながら、口を開く。 「え……と、一つ目は体内の魔力を、それぞれの属性に変換する『創造』。二つ目は創造した魔力の『消費』で、三つ目は消費した魔力の『具象化』。  この三段階のプロセスを経て初めて、私たちは物理法則の輪を外れた『魔術』を行使できる」 「うむ、その通りだ」  一つを思い出せれば残りを思い出すのも容易かったのだろう。後半は自信に溢れた声での説明だった。 「では第一段階である属性魔力の創造だが、これはどのような方法で行うべきだ? フェロン」 「術者が行使したい属性に合わせた媒体を用意して、魔術的結界領域、魔術陣を描いて、その中の適切な位置に媒体を設置。  この時、行使する魔術のレベルが上位に位置するものなら、用意する媒体もより純度の高いもの、魔力も比例して大量に必要になる、だよね?」  これはヴァレンス家で見捨てられる以前に教え込まれた知識。そのままを答えたフェロンに、リルアは満足げに首肯する。
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