『白光の魔女の弟子として』

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  「では、さらに質問だ。魔術的にもっとも純度が高く、かつ、魔力の代わりとして高い効果のある媒体を答えろ」 「植物を含む、生命活動を営む全ての命。その中でも人間に近い生物になればなるほど、それはすぐれた媒体になる」  フェロンの答え通り、全ての魔術は命を削れば削るほど高度な魔術を行使できるようになる、ということ。  言い換えれば魔力総量が極端に低くい一般人でも、悪魔の祝福を受けた者のように属性魔術を行使できない者でなければ、そして命を捨てる覚悟さえあれば誰でも高度な魔術を発動させられる。  それが成功しても失敗しても、その術者の死は確実だが。 「だが、魔術を行使するたびに自分や他の命を消費していては効率が悪い。それに倫理的な観点からも問題になるだろう。だから現代の魔術師には必須とされるものがあるな、エト」  復活したばかりのエトは、必死に身体を起こして椅子に座り、ぐったりと机に突っ伏しながらも、チョークの一撃を再び喰らうのを避ける為に口を開く。 「魔工品だろ。術者の手助けすんだよな。魔力を属性魔力に変換する時に魔工品を変換機として作用させることで魔術に必要なプロセスを短縮する、だよな?」
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