『白光の魔女の弟子として』

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   フェロンが『そうである』と本人の口から聞いて知っているエトとエリーは、だからこそ焦る。  絶対に傷付けた、と感じた二人は強くリルアを睨んだ。 「こ、こんなもん俺が一秒で終わらせてやんよっ!!」  言葉と同時、陶器の水盤に翳されるエトの手に水色の光輝が絡みつき、それがカラの水盤を透き通る水で満たす。 「どうだ、おるあああっ!!」  無理に明るく振る舞うエトを見てエリーは「やり過ぎよ、バカ……」と眉間に寄るシワを揉みほぐし、フェロンは親友の心遣いを理解して苦笑する。 「確かに魔術行使に問題ないな。むしろ上達している。だが、戦闘中でないのならイメージ優先の無詠唱ではなく、しっかり手順を踏んで行使しろ」 「えー、だってそんなの面倒くさ……了解でありますっ!!」  チョークが牙を剥きそうだった為、慌てて謝罪文を声に乗せて敬礼し、この場は何とか事なきを得る。 「では次。手書きの魔術陣を使って水盤の水を今度はカラに戻すんだ」  そう言われた人物は、自ずと一人に絞られるだろう。  属性魔力を利用した魔術を全く行使できないフェロンが除外されるのは必然として、つい今し方エトは水盤を満たした。
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