守護神の石

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「クロウ、今どの辺?」 大学内に侵入することに成功した 三人。 「今は…心理学学科棟の裏口付近  だな。」 「心理学科…生徒数はどこも不明  よね。教授名は?」 「えっと……N.W.P?」 「クロウ、それしか書いてねぇ  のか?」 「これだけだ。学科長らしいぞ」 「じゃあPね、呼び名は」 「そうだな、そうするか」 そんな会話をしながら、三人は 丁度学科長の部屋の前を、通り 過ぎる所だった。 夜の校内、というだけで静寂が 恐ろしくも感じる。 と、その時だった。 「……待て、ラグナにギザイア」 「ん?」 「どうしたの?」 俺が目の前を真っ直ぐ見ていると 2人も前を見る。 その先に居たのは……… 「…ガルル……」 犬…いや、それにしては姿が 可笑しい。 体型は犬だが、耳も目もない。 頭や背中が鰐のような色と皮膚を していて、何より悪臭を放って いる。 「臭っ……あ、あの犬…か……?」 ラグナが言うと、確かに俺の鼻 にもその悪臭は漂い届いた。 だがどういう訳か、ギザイアだけ 何ともない様子だった。 「臭い?全然しないわ…それより 私はあのキモさが嫌よ! 犬……じゃないし、何なのよ!」 可愛いものには目がない癖に、 気分を害するものに限っては随分 五月蝿くなるようだ。……女は 解らない。 ギザイアが扱う武器・小型の剣を 取り出し構えた、その時――― 「……待ちなさい、君達。  その犬は調教してある…敵視  しなくてもいい。」
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