守護神の石

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その手紙が届いたのは、つい1、 2週間前の事だ。 内容は盗みの依頼。しかもただの 盗みでなく、俺が計算するに 高等な技術を用いなければ ならないものだ。 「ねぇ、クロウ。今回は何を  盗むの?」 そう話しかけてきたのは、同じ 怪盗仲間のギザイア。 正直こういう容姿端麗…いや、 そうでなくとも女は苦手だが、 彼女の技術もなくてはならない為 そこは我慢している。 「どっか遠い所じゃねーの?  クロウの顔が険しそう  だからな」 こいつはラグナ。 典型的な体育会系で、あらゆる 武術をマスターしている。 ……同じ女が苦手同士でもある。 「流石ラグナだな。……そうだ、  今回はかなり遠い。それも  何ヵ所かを回らないといけない  らしいな」 「どれ?ちょっと見せてよ………  ……え、これって軽く世界旅行  じゃない!」 「げ、マジで?めんどいなー…」 「だがその分、かなりの報酬を  依頼人(クライアント)は約束して  いる。  これは期待して良さそう  なのだが…さて」 クロウは愛用のパソコンのキーを 打ち始めた。ワイヤレスで インターネットに繋げ、 アクセスしたのは地図を表示する サイト。 「……まず最初の目的地は、  ここだ」 パチッ。 クロウがエンターキーを押して、 地図が表示された。 「赤丸があるのが、目的地だ」 「アメリカの……ここは、  マサチューセッツ?」 「初めて見る名前だわ……  アー、カム?」 「アメリカ合衆国、マサチュー  セッツ州アーカムシティ。  ……俺にとっては、非常に興味  深い場所だ」
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