第一章 部屋探し

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どうして良いか分からず入り口付近に立っていると、一番前に出て来た背の高い、不良風の男の人がニコニコ笑いながら聞いてきた。 「背、小さ!え、何?入居希望者?マジで?何か訳ありとかそんな感じ?」 返事をしないのは悪いかと思い口を開こうとするのだが、なかなか話すタイミングをくれない。 それで困っていると、先程のヤスさんが私の後ろから言った。 「健二、うるさい。黙れ」 空気が悪くなってしまうのではと心配したが、いつもの事なのか、皆当たり前の如く無視してそれぞれの席へ着いた。 健二さんもぶつぶつ言いながらも、女の人と並んで座った。
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