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「……俺はヤス。全員が許可したら入居できるから。頑張って、望月さん」
ヤスは私に奥の三人掛けソファーに座るよう指示したあと、そう言った。
私が見上げると、ヤスは無表情のまま口元に微笑を浮かべ、キッチンに入って行った。
「それじゃ、取り敢えず自己紹介でもするか。まずはウチな!ウチの名前は聖子。レッドカウンズっていう族のリーダーやってる。セイって呼んでくれ。あ、さん付けは禁止だから。よろしくな!」
綺麗な女の人…セイはアハハと豪快に笑い、誇らしげに族名を告げた。私はそんなセイを、ただ単純に格好良いと思った。
「お前は馬鹿か!普通、新しい人が一番だろうが!お先にどうぞ。ええと…望月さん?」
健二さんが私の方を振り返り、自己紹介を促して来たので、私はパッと立ち上がった。
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