第一章 部屋探し

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「ありがとうございます。私は望月優姫と言います。えっと、保証人がいない為借りられる部屋がなくて、ここへ来ました。よろしくお願いします」 ペコリと頭を下げると、セイが私に聞いてきた。 「なあ、保証人がおらんって、親が居ないん?」 聞かれると思っていた。 正直話したくはなかったが、話さない訳にはいかない。 「いえ…居るには居ますが、この間離婚しまして。母親に家を追い出されてしまったので、保証人無しで部屋を探さないといけないんです」 私は苦笑しながら言った。 嘘と見られるか、同情の眼差しを向けられるか、そのどちらかだと思っていたのに、このアパートの住民たちは違っていた。
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