第一章 部屋探し

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「ああ、成る程ね。親に問題ありか。宮ちゃんと同じ?」 健二さんが身体のがっしりとした男の人に話し掛けると、宮さん?は、私に向かってウインクをしてきた。 「お揃いね、ユキちゃん。アタシは宮崎花蓮よ。カレンか、宮ちゃんって呼んでね。アタシは見ての通りオカマちゃんだから、家を追い出されちゃってここに来たの。ヨロシクね~」 宮ちゃんが自己紹介を済ませると、健二さんが 「あー!俺が二番目に自己紹介するつもりだったのにー!宮ちゃんの馬鹿!」 と叫びだして、セイに頭を殴られていた。 驚いている私の前にぬっと顔を近づけてきて、健二さんはその薄い眉毛を下げて、ニッと笑った。
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