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セイとケンから族の事について聞いていると、後ろから爆笑が聞こえた。
驚いて振り返ると、腕に入れ墨の入った男の人が火の点いて居ない煙草をくわえ、壁にもたれて立っていた。
「何が可笑しいんだよ、龍兄」
ケンが拗ねたように言うと、龍兄と呼ばれた男性はボスンと私の横に座った。
「いやあ、お前らがやけに嬉しそうに族について語ってんなと思ってよ」
龍さんは体格がよく、またあちこちに傷がある為、近くで見るとかなり迫力があった。
見慣れている私が普通に座っていると、龍さんは優しげな眼でこちらを見た。
「お前、度胸あんな。俺見て怯えねえの?」
返答に困り、俯いてしまった私を見て気を使ったのか、龍さんはいきなり話を変えた。
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