第一章 部屋探し

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「おい、飯ができたぞ」 ヤスがそう言って入って来ると、その手には美味しそうな匂いを放つ皿があった。 宮ちゃんがさっさと皿を大きなダイニングテーブルに並べている間に、皆が席に座った。私がどうして良いか分からずオロオロしていると、唐突に腕を引っ張られ、龍兄の隣に座らされた。 「いただきます!」 皆は口々に言いながら、一気に食べ始めた。 「早く食わないとなくなるぞ」 龍兄は自分の取り皿に大量のおかずを載せ、私の取り皿にも充分お腹が膨れる程の料理を取り分けてくれた。 「ありがとう」 龍兄の顔を見上げてわらった。 そしてふとテーブルを見ると、大皿にはもう何も載っていなかった。
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