プロローグ

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母親に家を追い出されたが、私はお金を持っている。 一人暮らしをしよう。 あいつを殺す力もある。 けれど、すぐには殺さない。 ……復讐してやる、絶対に。 あいつを幸せになんかさせてやるものか。 刃物を手にし、誓いを込めて左肩に傷を付けた。 決して忘れるものかと、永遠の憎しみの印を、己の身体に刻み込んだ。 痛みのせいか、悲しみのせいか、はたまたそのどちらもか。 理由の解らない涙が一粒、零れ落ちた。
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