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すると男は、「同じ高校の金城です。高月とは同じクラスで……」と、軽く挨拶してきて。
(・・・なんだ。同じ学校の知り合いか。じゃ、ナンパじゃねぇな。)
オレはホッと胸を撫で下ろした。でも。ふとヒカルの顔を見ると、まだ困惑した顔をしている。どうしたんだ?
・・・そう思ってた矢先、ヒカルが口を開いた。
「ねぇ。金城くん。このコト、誰にも言わないで?アタシが真山先輩と付き合ってること……」
あ、そうか。オレらのことは学校では内緒にしてたもんな。でも……。
「あ……ああ。わかった…」
そう答えたヤツの目が泳いでる。・・・ダメだな、これじゃ。学校に広まるのも時間の問題かもしれない。まぁでも、オレはいい加減コソコソ付き合うのが嫌だったから広まっても別に構いやしないんだけど。ヒカルを狙ってるヤツのガードにもなるし。
「じゃ、俺もう行くから」
そう言うと、ヤツはオレにもペコリと軽くお辞儀をし、そそくさとこの場から離れて行った。
「アイツ、多分誰かに言っちゃうかもな。でも、もう構わないだろ?オレはヒカルとのこと学校でも堂々としていたいよ」
「・・・でも、先輩人気者だからアタシ、学校の女子に睨まれないか心配なんです……」
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