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「そんなの気にすんなって。その時はオレが守ってやるから、何かあったらすぐに言えよ?・・・じゃ、オレらも行くか」
そう言って、手を繋ぐとヒカルもこくんと頷いて手を握り返してくれた。喧嘩してギクシャクしてたから、最初どうなるかと思ってたけど案外スムーズでオレも安心した。
ヒカルと2人。久しぶりの時間。そして、久しぶりの泊まり。
金城ってヤツに出端をちょっと挫かれたけど、ヒカルの顔を見てたらそんなのどうでも良くなってきた。
今日のヒカル、すごく可愛い。クリスマス用にオシャレしてきたのがよくわかる。髪は相変わらずショートだけど、ちょっとだけアレンジして髪留めつけてるし、今まで一度も見たことない服も着てるし。化粧は大体いつも薄いけど、今日は唇にグロスがついててなんだか艶っぽく見える。
「今日のヒカル、超かわいいな」
オレはヒカルの耳元に近づいてそう囁いた。顔を赤く染めて照れるヒカルが見たくてそうしたんだけど、思ったとおりの反応で嬉しくなってクスっと笑った。
この手……、今日は絶対離せねぇな。まったく。
電車に乗って、今日泊まるホテルの2駅手前の駅で降りる。繁華街であちこちの店をぶらついてるとあっという間に時間が過ぎてしまった。二人で過ごす時間ってのは驚くほど早く感じる。
最後にデパ地下でチキンやらケーキやら食い物を買い込んで、17時にはホテルにチェックインした。
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