◆真山先輩side-2

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 少し落ち着いてきた頃、ヒカルが口を開いた。  「先輩にこの前ヒドイこと言っちゃって、ごめんなさい……」  「ああ……、いいよ。もうその事は。喧嘩はお互い様だからさ……。でも、オレ、絶対ヒカルのこと振らないからそこはわかってほしい。最後とか言うのも無しだぞ。オレはずーっとこうしてクリスマスも誕生日も一緒に祝うつもりだからな」  クスっと笑うと、ヒカルもつられてクスっと笑った。  「大学もちょっと遠いけど、いつでも部屋に遊びに来てくれていいし。あ、そうだ!携帯、同じキャリアに切り替えて、通話料無料のとこにすれば気兼ねなくいっぱい喋れるよな」  「あ、そうですね!アタシも新しい携帯欲しい♪」  「そう考えれば寂しくないだろ?」  そう言うと、ヒカルはちょっと涙ぐみながらこくんと頷いた。  「先輩がちゃんとアタシのことも考えてくれてて嬉しいです。先輩のこと…、ずーっとずーっと好きですからね。イヤだって言っても追いかけちゃいマス!!」  ヒカルは涙目でニコっと笑った。  ・・・オレは、そんなやりとりも愛しくてたまらなくて、またヒカルを抱きたくなった。あーあ、男ってどうしてこうなんだろうな…。   あ、でもその前に“アレ”出さないと。お互い蟠りも晴れたし、今がいいタイミングだな。
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