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「真山先輩。ヒカルが先輩の過去の彼女のこと調べ始めてますけど…」
12月の中旬、もうすぐ学校も冬休みに入ろうかという時期に。書道室で突然、ヒカルの友人、白峰亜紀(しらみねあき)ちゃんにコッソリそう言われた。
「先輩が来年通う大学、ここから遠いし……。ヒカルも色々心配みたいですよ」
亜紀ちゃんは本当にヒカルを友達として大事に思っている。何かヒカルのことで心配事があるとオレに報告してくるようになった。まぁ、オレとヒカルが付き合ってること、まだ学校で亜紀ちゃんしか知らないし、オレが知らないことがわかるから正直すごくありがたい。
「いつもヒカルこと見ててくれてアリガトな。・・・亜紀ちゃんに心配かけないように、オレがヒカルのこと何とかするから」
そう言うと、オレは一足先に書道室を出たヒカルとの待ち合わせ場所に向かった。
「来年、、、か」
校内の廊下を歩きながらオッサンのように言葉を漏らした。はぁ……ヤバイな。オレ。とうとうため息混じりに言葉が出る年齢になったのか??
そんなことを思いながら、ペタペタと上履きを鳴らして歩く。ここ(校内)をこうして歩けるのはあと少しなんだよな。
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