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「他に質問は?」
「・・・さっき、何で喋ってたんですか??」
「何か知らないけどいきなり呼び止められたから大学の話しただけだよ。いつもは全然接点無いし喋ることなんてないんだけど。他は?」
「・・・」
「もう質問無いの?」
「・・・もういいです」
そう言ったのに、ヒカルは眉間に皺を寄せてまだ不満があるような顔をしている。
・・・最近のヒカルはいつもこうだ。離れ離れになることを話したあの日から、どうもオレに突っかかってくる。とりあえず今はこの話題変えたほうがいいな。
「来週のクリスマス、久しぶりの泊まりで楽しみだな」
オレはそう言って、歩きながらヒカルの手に自分の手を絡めた。でも、あまり反応が無い。ちょっと沈黙があった後、ヒカルが重々しく口を開いた。
「先輩と最初で最後のクリスマスかも……」
「は?」
突然のその言葉にオレは立ち止まってヒカルを見た。ヒカルは下を向いて、まだ眉間に皺を寄せている。
「何でそんなコト言うんだよ??」
思わぬ言葉を聞かされて、訳がわからない。
「だって……。アタシもきっと先輩に振られちゃうから……」
それも寝耳に水だ。ヒカルを振るつもりは更々無い。でも、勝手にネガティブ思考になってるヒカルを見てちょっと腹が立った。
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