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そんな彼らを端目に見て、
彼女はどんどん先へと進む。
まるで見えない不思議な力に
惹かれているかのように。
いや、人はそれを『好奇心』
と呼ぶのかもしれないが...。
またしばらく歩くと、二股の
分かれ道にでた。
向かって左には、
《危険 関係者以外立入り禁止》
そんなことが書かれた看板で、
道が塞がれている。
進めないなら仕方がない。
彼女はもう片方の道、
右へと足を踏み出した。
そう。それは、自分自身の運命を
変えることとなる一歩―――――
「おい、誰だよ。看板反対側の道に置いたの。」
「あぁ、多分明日の準備で出入りしている業者じゃないっすかー。」
「本当に困るよー。こっちの道は雪解けで堀が崩壊してるから、一般人が入らないようにしてるのに。倉庫から荷物出した業者に言っとけよ。」
「はい、わかりましたー」
「もしかして一般人、入ってねーよな...」
「大丈夫ですよ。そんなわけないっすよ」
「そうだよな。じゃ、看板戻しといて、誰も入んないようにしとけよー」
「はい」
こんな会話が、遠くからしているのにも気付かずに。
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