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しかし……彼はあと少しで行ってしまう
私は、行ってしまう彼の後ろ姿を見ることしか出来なかった
声をかけることも出来ず―――
人間と言う生き物は残虐で恐ろしい と聞いたことがあるがそれは嘘に決まっている
彼を見ていると人間がそのような生き物だと思えない
私達と同じように
ひ弱で
純粋な
生き物――――
私は今日も声をかけることが出来なかった
いや、出来るはずがない
だって彼と私の距離が遠いから
声をかけたとしても声が貴方に届くとは思えない
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