第 2 章

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しかし……彼はあと少しで行ってしまう 私は、行ってしまう彼の後ろ姿を見ることしか出来なかった 声をかけることも出来ず――― 人間と言う生き物は残虐で恐ろしい と聞いたことがあるがそれは嘘に決まっている 彼を見ていると人間がそのような生き物だと思えない 私達と同じように ひ弱で 純粋な 生き物―――― 私は今日も声をかけることが出来なかった いや、出来るはずがない だって彼と私の距離が遠いから 声をかけたとしても声が貴方に届くとは思えない
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