第 2 章

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「はぁ、」 貴方の姿が見えなくなり陸に背を向けて海に潜ろうとした時 「可愛いそうな人魚…」 「……!」 不意に幼い声がした 反射的に声がした方向を見ると 白い髪と赤い目をした見た目10~13歳程の女の子 「誰……?」 彼以外の人間と会うのは初めてのことだし何よりも人間が私に話しかけてくるとは思わなかった いや、あの子は人間なのだろうか? 常に私は辺りを警戒しながら来ているから人間がいたならすぐに気が付くはずだ それとあの子の取り巻く空気が異様に変わっている 近付いてしまったら殺されるような……そんな空気だった 「それでいいの?……見ているだけで」 その女の子は私が尋ねたことを無視して更に言う 「もったいない…人魚なのに…歌えば届くのに」 凄く悲しそうな表情で言う 「……………」 しばらくして女の子は私がもう何も答えてくれないと判断したのか私に背を向けてどこかへ立ち去って行った 私は女の子が立ち去ってもしばらく呆然としてその場にいた
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