茉莉華という正体

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 無遅刻・無違反で過ごしてきたこの人生。  わたくし日下 慎一郎初めての職員室でのお叱りです。   「んー、日下も杯も今回が初めてのようだし、まぁあれだ、特に杯は成績も優秀で日下は先生方からの評判も良いようだし、まぁ今回はお咎めなし。これからは気をつけるように」   「はい」   「分かりました」    俺達は特に咎められる事なく無事に職員室から脱する事に成功した訳なんだけども……こやつ、なんちゅうイイ子ちゃんを演じてやがる。    学年主任が他の先生から俺達の詳細を聴いていた話から察するにだ。    この杯 茉莉華は成績優秀で、部活は剣道部や薙刀部に時々助っ人として参加する程度だが……。    さっきみたいな暴挙にでて刀を振り回す事なんか想像も出来ないくらいに、だ。    おしとやかで清楚、控えめで、それでいて友人との交流も深い。  そんなとこらしい。    な・ん・て・そんな事が、罷り通って良い訳が!あるかぁぁぁぁぁぁ!!    この女は俺をついさっき刀を殺そうとした女だぞぉ!  優等生ナウ、じゃあねぇ! この、泥棒猫!……あぁ違う違うこの化け猫ちゃーん。
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