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「なぁ」
「……」
無視ですか、そうですか俺は虫並みに扱うからって無視ですか、そうですか。
「おい」
「なによ」
茉莉華がギロっと、完全に目が据わったまま振り返った。
「うっ……に、二時間目まで時間あるけど、どうする?」
そうなのである。職員室での聴取に時間が掛かったため、一時間目の授業の半分は経過してしまい、今から言っても遅刻扱いなのである。
俺のモットーを遵守すれば、遅れてでも教室に入るべきだろうが、途中で入るあの気まずさと集まる視線と教師に対する言い訳の負担を考慮すると、二時間目からの参加が妥当だからだ。
「どうするって、何で一緒に行動する前提なの、付き合ってる訳でも無いのに」
「でも夫婦になるんだろ?」
「……」
いや、……って、そう黙られても。
何回か瞬きを繰り返した後、茉莉華はボンッ! という音を立てて真っ赤になった。
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