茉莉華という正体

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 この学校の屋上へ続く階段を登り、扉を前にすると、その扉にはゆるーい感じにだけど、錠と鎖があった。   「仕方ない」   「戻るか」「斬るわ」    ん?んんん?  いや、俺が屋上にでも行くかって言ったのはただの時間潰しで、当然鍵が掛かってる事ぐらい想像して、ガチャン……ガチャン?   「さて、これで行けるわ」    さて、じゃない。あぁもういくつ法を犯せば気が済むんだよ。  銭形警部いねぇかな?逮捕だぁー。   「ほら、行かないの?」   「あ、あぁ」    その先に広がる景色は圧巻だった。屋上なんて普通怒られる定番だし、俺は当然避けてきた。  屋上からの景色ってこんなにスゲーんだな。   「なぁ茉莉華」   「いきなり呼び捨て?」   「殺すのか?」   「殺されたい?」    うん、地雷を踏んだかもしれない。これからはこの問いは禁止だな。   「なぁ、そんなに杯の家訓ってのは大事なのか?」   「うん」    あぁ、そこはヤスさんみたいにカックンって乗ってはくれないのね。  
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