キスと刀と茉莉華と俺

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 遺言として、この刀振り回し女に殺されそうになった経緯を話しておきます。    この日、俺は寝坊しました。いつもはそんな事はないんだけど、この日いつも起こしてくれる母さんは居なく、慌てて起きたら居間にあれがありました。   『慎一郎へ、昨日言い忘れたけど今日母さんはお友達と今でもツルツルなお肌を、更に進化させるべく温泉に行ってきます。一泊してくるけど、女の子を連れこんじゃダメよー』    との書き置きが。  もうそれからは急いで準備して家を出たよ。書き置きにハートやら顔文字が沢山あったのなんか忘れるくらいにね。少しは歳を……あぁこれ禁句だった。    それで俺は走って学校に向かった訳だけど……。  俺のモットーは平安・平和・平穏。あらゆる危険因子を取り除くため、走る事だって普段はしない。    けどさ遅刻は遅刻でモットーを阻害する一つだから走ったって訳だけどさぁ。    やっぱり走るとついてねえ。    この角を左に曲がればもう少しで学校って時に、事件は起きた。  青島刑事、事件現場は会議室じゃなくてやっぱりここでした。現場でした。    最初は何かとぶつかった感覚がして、それが車じゃないと分かったのは何だか柔らかい物が色々体に当たって。    気がつくと、俺は女の子を押し倒していて、それで左手は咄嗟に彼女の頭を庇ったみたい。  右手にはやたらフニフニした感触がありました。フニフニ? いやプニプニ? 違うなぁこれはパインパインか!
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