キスと刀と茉莉華と俺

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 ディオ、今まで時を止めてくれてありがとう。この恩は一生忘れないよ、だってもうすぐ刀がぁぁぁぁぁぁ。    パン!   「えっ!?」   「おぉ!」    なんという事でしょう。それまで慎一郎君を切り裂こうとしていた刀が、見事両の掌の中に納まっているではありませんか。これぞ匠の技、真剣白刃取りです。   「ん? 俺……」    刀を持っているこの美少女さんは何やら顔を真っ赤にして、プルプル顔を震わせます。どしたの? トイレ行きたいの?   「おめでとうございますダンナ」   「へっ?」    貴男は確か政さん! じゃなかったヤスさん。おめでとうございますって何? どゆこと? んまぁ、とーりあえず。   「ありがとうごさいます」    と、言っておこう。   「ちょっとあんた! 杯の家の者と、その」   「さかづき?」   「杯の家の娘と、その……それがどういう意味かお前は分かってるの!?」    分かりません。知りません。知りたくありません。嫌です。
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