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「かっ、くん?」
いやヤスさん、そんなロボットみたいにかっくんって頷……あぁ、イッツ・極道ジョーク?
「へい、それはあっしが説明、あっお嬢はお続けなさってくだせぇ」
それはもう漫画みたいに背景にギロって書いてあるんじゃないかぐらいの睨みでしたからねこの女。赤髪もきっと誉めるわ。
「こちらの茉莉華お嬢がお生まれになった杯家には先祖より代々続く家訓がありまして」
そう言って黄ばみ一つ無い白い布で俺の血を拭いてくれた。
ゴメンナサイ、拭くぐらいなら止めて下さい。
「で、その家訓って? っ! なろ!」
「へい。杯家に生まれた嫡男は総会に於いて満場一致を以て妻を迎え入れる事になっています」
「えっ? なにこいつ男なの!?」
「胸が無いとでも言いたいのかぁ!」
冗談だよ、あるよ、てかスタイルいいじゃん! その馬鹿力以外。
「はい。いえ、お嬢はお嬢でして、れっきとした女の子でして、あっしが昔よりお仕えする……あっ、今はそれより」
こんなろ! そのまま話せよ。今一瞬力弱まって「もう、ヤスったらぁ」みたい表情になりかけたのによぉぉ。
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