キスと刀と茉莉華と俺

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「とにかく」    あっ、ヤスさんまとめに入って逃げたな。   「それは嫡男の場合であって、今の杯家には茉莉華お嬢お一人。つまりは婿殿が必要という事です」    言い終わるとこの女、まぁ名前分かった事だし茉莉華でいいか。が、これ以上は自分が話すと言わんばかりに睨みつけたせいか、ヤスさんは一瞬にして姿を消した。  多分、ヤスさんの下にはこんな感じのやつが百人ぐらいいるんだろうなぁ。   「あっ、いえ、二百人いますぜ旦那」    え、え、えぇぇぇぇぇぇ。この人心読んだっていうか二百人もえぇぇなんだけど、えぇぇ!!   「そういうわけよ」   「どういうわけよ?」   「つ、つまりその……初めて、くにょごにょ」   「初めて? なに、人を殺めたら何かするの?」   「そんな訳ないじゃない!」    いや、だってこの状況ですよ? この状況は俺のモットーに最も当てはまらない感じだけどさ、普通それ先に浮かぶでしょ。だって俺このままだったら死ぬよ?
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