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「っていう手紙が来たんだよ!」
「…………」
机をバンッと叩き、海が叫んだ。
海によると、俺のところに来たのと同じ手紙が海のところにも届いたらしい。
それを読んだ海がパニックになった訳だ。
「その手紙、俺のとこにも来たよ。『特別な方々』ってなんだろうな?」
「隼人のとこにも来たのか?じゃあここに書いてある『特別な方々』って…」
海が俺の目を見る。
言いたいことはわかった。
「…この力のこと、か?」
「だって、俺等に共通してんのなんかそれくらいじゃないか!それより俺はここの『来なかった場合は、それなりの対処をさせていただきます。』が気になるんだよ!」
「……つまり、脅しだろ?」
「そんなことはわかってんだよ!それなりの対処ってもしかして…死ぬ、とかじゃないよな?」
海の顔が恐怖により青ざめる。
俺は笑いながら「まさか」と言った。
だが、内心はそうは思っていなかった。
何故なら、俺達の能力のことを知っていると言うことは、この手紙を出した奴もそういう能力を持っているということだ。
そういう得体もしれない奴らなら、人殺しもしかねない。
「んで、どうするんだよ?」
「どうするって…?」
「行くか行かないかだよ」
俺が言うと、海は更に青ざめた。
「行きたくなんかねぇよ…でも、行くしかねぇんだろ?俺だって死にたくねぇし…」
海が力なく言う。
まぁ、海が怖がるのも無理はない。
正直、俺だって怖いんだから。
「わかった。じゃあ一緒に行こう。お前より俺の方が戦い慣れてるしな」
「お前のはケンカだろ…」
呆れたように海が言う。
まぁ、確かにその通りなのだが。
「斬島ー!」
「げっ、センコーだ!じゃあな海!」
俺はセンコーから逃げるように教室を飛び出した。
後ろからセンコーの怒声が聞こえたが、知らんぷりだ。
俺はそのまま学校を出て、センコーを巻いた。
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