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遂に運命の日が来た。
俺は鞄や服の中、靴の中にまでナイフを忍ばせて海を待つ。
少しすると、インターホンが鳴った。
「来たな。よし、行くぞ」
「あぁ…」
海の返事を聞いてから、2人で家を出る。
そしてそのまま指定された住所まで歩いていた。
幸いこの近くだったため、歩いて行ける距離だ。
その住所に辿り着く。
そこは船場。
つまり、海だ。
「これって、まさか…」
「あぁ。船に乗るってことだろうな」
俺が答えると、海の顔は青ざめていく。
「もしかしてお前、まだ船嫌い治ってなかったのかよ?」
「う、うるせぇな!船だけは駄目なんだよ!」
心なしか海の目が潤んでいる気がする。
コイツ、海って名前のクセに船は苦手なんだよな…
泳ぎは得意なのに。
辺りをキョロキョロと見回すと、色々な人がいた。
ゴツい奴やら不良っぽいやつから気が弱そうな奴、優等生っぽい奴まで様々だ。
女の子までいる。
もしかしてここにいる奴ら全員俺達と同じように呼ばれたのだろうか。
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