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ピンポンパンポン
『皆さん、ようこそいらっしゃいました。
さぁ、船へお乗り下さい』
船に付けられたスピーカーから聞こえた男の声。
それを聞いた人々は戸惑いながらも、船に乗り込んだ。
「ほら、俺達も行くぞ海」
「マ、マジで乗るのか…?」
「当たり前だ。行くぞ」
この船に乗らなければここに来た意味がない。
青ざめた顔で肩を震わせている海を無理矢理引っ張って船に乗り込んだ。
船内は、まるで豪華客船。
美しいシャンデリアに広いホール。
更に沢山の部屋があるようだ。
「これならあまり揺れないし…大丈夫か?海」
「あ、あぁ。平気、だ」
まだ少し顔色が悪いが、先ほどよりは大分良くなっている。
ピンポンパンポン
再び船に取り付けれているスピーカーから声が聞こえた。
『皆さん、本日はお忙しい中、来ていただきありがとうございます。
目的地に着くまでの18時間、ごゆっくりお過ごし下さい。
部屋でお休みになりたい方はフロントで受け付けをして下さい。
お食事は食事ルームがありますので、そちらへどうぞ。
船内を自由に歩き回るのは結構ですが、外には出ないで下さい。
では、ごゆっくりどうぞ』
スピーカーから聞こえていた声が止むと、人々は思い思いに移動を始めた。
こうやって見ると、本当に沢山の人がいる。
本当にここにいる人は全て能力者なのだろうか。
だとしたら、かなりの人数がいる。
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