「……それにしても、君がエクサランスの魔法にて過去から来た存在とはね……本当、驚きばかりだよ。レンフーデ達が用意したシナリオを選ばないのは分かったけど……大天使以外の協力者……えっと、神様だっけ? その方々は直接力を貸してはくれないのかい?」
報告書をながめながら神々の名前を見直すシドランだが、どれも長い名だけに、少し言いたくない気持ちが働く。
その問いには、莢がやや面倒そうに答えてくれた。
「それは難しいわ。日本古来より……」
神々の存在。それは肉体を持つ者では無く、霊体とも言え、肉体の檻を持たない存在である。故に、誓約受ける現世界には関与をする事があまりない。
全くない訳ではないが、その神々が視える人間ほぼおらず、神々もまた、人間界へと現れる事がなく、逆に肉体を用意してまでこの世で活動をする事が無いのが、式神としても分かる常識であった。
「なんだ、協力者とか言ってたから、闘いとかにも参加してくれると思ったけど、そうじゃないのか」
残念そうに語るシドランに「神を敵に回すより百倍いいでしょう」と呆れた口調で言っていた。
「サーヤさんの言う通りだよ! 神産巣日神様は、本気で私達の世界の終わりを気にしてない様子だったし、あのまま放置だったら、完全にバットエンドコースだったもん」
「そうなのか……っと、言われても、ピーンと来ないんだよね。つまりは、物理的世界である地球世界やグランディスでは、チカラを振るってくれないか。でも一目連さんが、世界修復をしてくれるんだっけ??」
その質問には、さくらが答えてくれた。
「はい。一目連さんが天之闇戸様と一緒に、その任を与えられていましたので、間違い無く修復方法を持って帰ってくれるはずです」
「これまた神様か……それと、肝心な救世主復活のアイテム、神器の死返玉だっけ?? これを持って来てくれるのが……」
書かれた書類を見直すシドランに対して、見ていられない莢が続く。
「大天使ハニエルと三神達でしょう? その内一人は、木を司る神である久久智神よ。魔法世界の方々には、これ程偉大な神々が動いていても理解には苦しむかしらね」
その小馬鹿にされた態度に、流石のラハジール参謀官も、些か不機嫌そうにするが、相手が悪すぎるのもあって、想い口にはしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!