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勇者に選ばれたのは悪い気分ではなかった。暫く呆然としたが、ズシリと重い金貨の入った袋を渡され我に返った。
「さあ、行くのじゃ!勇者よ!汝の旅に幸福があらんことを!」
それらしい台詞を言った王は満足気な顔をしていた。
理由、俺が選ばれた理由を聞きたかったがさっさと行けよという雰囲気が俺を止めた。
そしてさっきと同じ通路を通り外に出た俺は城の前でこの先どうするかを考える。
両親にはちゃんと報告しないとな、うん。
とにかくそれ以外が浮かばなかったのでとりあえず俺は自宅に帰ってきた。
「おかえり。どうだった?」
椅子に座って本を読んでいた母は俺の姿を見るなり本を閉じ直ぐさま聞く態勢に入った。
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