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2010年12月20日。
今年はなかなか残暑から抜け出せず、いきなり寒くなったな。
暑いなぁと思ってたのはつかの間で、12月ともなると暖房がきかない家の中では凍えてさえしまう。
俺の家は東京の下町にある、小さいアパートだ。
家の中は狭いけれど母さんと二人暮らしのため、不便さはそれほどない。
ただちょっとこの寒さをどうにか出来れば…なぁ。
今日は高校から連絡が入って、少し顔を出しに来いとのことで、先程起きたのだ。
なんか俺の他にも何人か来るって言ってたけど…待ち合わせは確か9時だったな。
ええと…今何時だ。
布団から出ようとするが、肌を刺すような寒さが布団から出ることをさせてくれない。
しょうがなく頭の上の携帯を取る。
時間を確認しようと思ったんだが、携帯がピカピカ光っている。
--着信10件--
……。
ええと…今…は
--9:30--
……………ヤバイ!!!
眠さと寒さに阻まれながらもなんとか仕度をして家を出る。
母さんは早くから仕事に出ているため、家には誰もいない。
いないに家に向かって、行ってきます、とポツリと呟く。
学校までは自転車で20分、飛ばせば15分くらいでつくだろ。
アパートの駐輪場で愛車に鍵を差し、勢いよく出発する。
自転車だと余計寒さが感じられる。
ブルルっと体を一度震わせ、気合いを入れて立ち漕ぎで学校へと向かった。
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