1.“援交”

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今日も街へと繰り出し、今日の男にめぼしをつけていた。 少し痩せた、中年のおじさんが私の横を通った。 靴もきれいだ。 よーし。 あれに決めた。 あれならすぐに果ててしまいそう。 「おじさぁん。今、時間ありますかぁ??ユカぁ、電車に乗るお金がなくなっちゃってぇ~、貸してもらえないですかぁ??」 私の笑顔、しゃべり方。そして自分を名前で呼ぶ。偽名だけど。 極めつけはこのセーラー服。 今までに乗ってこなかった男はいない。 ホテルのベッドに顔をうずめて、早く終わらないかと必死に祈る………………。 「これで足りる?」 ベッドの上に、万札5枚。 まずまず…。 「ありがとう。」 「いつもこんなことしてるの?」 男が不意に、そんな質問をしてきた。 「ううん。」 首を横にふりながら、それだけ答え、私はすぐに寝転がってタバコに火を点けた。 中2のときに覚えた味。 イライラを抑えるにはちょうどいい薬。 「じゃあ、僕は先に。」 「うん。」   身体が重い。私は長い髪をかきあげ、ベッドヘッドに映るデジタル時計を見た。
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