1.“援交”

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私が反射的に目をつぶると、バシッと鈍い音がして、私の前を誰かが通った。 ………私の頬はなんともない。 目の前を見ると、背の高い後ろ姿が目に入ってきた。 「俺の連れになんか用ですか?」 後ろ髪の短い男。 男はそう言い、私の体をすっぽりと隠した。 「いや……。」 庄治の声がしたかと思うと、もう庄治の姿はどこにもなくなっていた。 その代わりに、背の高い大きな男が。 「大丈夫?」 太陽で反射していた顔が不意に現る。神々しいくらいまぶしかった。 整った顔立ち。 少しかすれた低い声。 そして…… 左腕に、何か…違和感。 「…………。」 私は男の腕をじっと見つめた。 「アズサって言うの?」 男が口を開いた。 「うん。……ねぇ、お金もってる?」 何を血迷ったんだろう。 私はその男に、3万で買えと、そう告げていた。 彼は顔色ひとつ変えない。 「いいよ。俺の家でいいなら。」
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