1.“援交”

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彼は優しいキスをした。 長いキスのあと、スカートに手を入れて、私の中に入ってくる。 「…あっ……!」 自然と出た声は、聞いたことのない声…。 これが私? 男は優しい声と、優しい指で、私の体を触った。 どんな男にも感じたことのないこの体に、電流が流れるようなビリビリとした感覚が伝う。 左腕が使えないのに、器用な指で私をなぞっていく。 心の中で「この人、慣れてる…」なんて思いながら、彼の激しいピストンで、私は頂点に達してしまった。 身体の快楽に、自分の心がついてこない。 今までこんなこと無かったのに。 コトが終わると、彼は寝息をたてて寝始めた。 サラサラの前髪に触れて、いろいろなことを考えた。 庄治のこと。学校のこと。 親のこと。親友のこと…。 そのどれをとっても、中途半端な私。 過去の記憶を探っていると、男の顔が近くに来た。 なんだかこの人。 どこかで会ったような…・・・ そのうちに、私も目をつぶってしまった…。
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