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彼は優しいキスをした。
長いキスのあと、スカートに手を入れて、私の中に入ってくる。
「…あっ……!」
自然と出た声は、聞いたことのない声…。
これが私?
男は優しい声と、優しい指で、私の体を触った。
どんな男にも感じたことのないこの体に、電流が流れるようなビリビリとした感覚が伝う。
左腕が使えないのに、器用な指で私をなぞっていく。
心の中で「この人、慣れてる…」なんて思いながら、彼の激しいピストンで、私は頂点に達してしまった。
身体の快楽に、自分の心がついてこない。
今までこんなこと無かったのに。
コトが終わると、彼は寝息をたてて寝始めた。
サラサラの前髪に触れて、いろいろなことを考えた。
庄治のこと。学校のこと。
親のこと。親友のこと…。
そのどれをとっても、中途半端な私。
過去の記憶を探っていると、男の顔が近くに来た。
なんだかこの人。
どこかで会ったような…・・・
そのうちに、私も目をつぶってしまった…。
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