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たっぷり30分待って、やっと席に通されて座った途端にお腹が鳴ったものだから
「お前のハラ、正直すぎ!」
と、笑われてしまった。
別に…鳴らせたくて鳴った訳じゃないのに。
あんまり愉快そうに目の前の友人が笑うものだから、気恥ずかしさに唇を尖らせて黙り込んで膨れっ面ををして。
メニューに顔を埋めて無視してやった。
もういいじゃないか、そんなに笑わなくったって。
僕だって恥ずかしいんだ。
運良く(?)全席個室の作りの店だから、他の人には聞かれていなかっただろうって事が唯一の救いだってのに。
あからさまに拗ねている僕を余所に、遠慮も何もなく恭介が笑い続ける。
腹立ち紛れに
「意地悪する恭介は水だけね」
と言ったら、物わかりのいい友人は直ぐに口を噤んで席に着いた。
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