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「腹減ったから早く行こーよぉ。
大樹だって一人ぼっちでご飯食べるの寂しいでしょー?」
「別に寂しくねぇし。
時間無いんだろ早く行けよ」
人の事をかわいそうな奴呼ばわりしてる奴は置いといて。
やっぱり今日は恋人の作った暖かい飯が食いたいと、2人で食卓を囲んだ様を思い出して頬が緩む。
ホント、マジ美味いよなぁ。
幸也の飯は。
母子家庭でガキの頃からずっと家事やるのが当たり前だったとか言ってたけど、あの上手さはそれだけじゃないだろう。
慣れれば誰でも出来る事だよ、とか幸也は言うけど俺は違うと思う。
ただやらなきゃいけないからってだけじゃ、あんなに美味いものは作れない。
現に俺は親元を離れて何年も経つのに、まぁ食えりゃ良いか、ってレベルのモンしか作れないからな。
興味を持てば何にでも惜しみ無く努力を注ぐ、その勉強熱心さがあの味を出している。
と、俺は思う。
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