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. 3年付き合って、一緒に住んだのは実際は2年半。 クラス替えの無い高校だったから、1年から同じクラスだった大樹とは、3年間同じ教室に通った。 大樹は元気で明るくて目立つ奴で、常にまわりは誰かがいて騒ぎの中心にいて。 僕は物静かで友人も少なくて、いつも図書室の片隅で本を読んでいて。 そんな風に対極にいた僕達だったから接点なんてひとつもなくって。 3年の夏のあの日、大樹から声をかけてくれるまで僕達はただのクラスメイト、知り合いでしかなくって。 でも ずっと好きだった。 1年の春から、ずっと。 臥して、秘めて、叶わない。 忘れて、諦めきゃならない筈の恋だった。 .
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