7/24
前へ
/153ページ
次へ
. 勿論その時、大樹だって知ってた訳じゃなくて、寛ぎきって瞳を閉じるその姿が随分気持ち良さそうに眠ってるなぁ、って微笑ましい気持ちで僕は通り掛かったその人を見ていた。 染めたと分かる薄茶色の髪が風に揺れて、制服を纏う仰向いた体は陽を浴びて。 なんとなく、邪魔をしては悪い気がして直ぐに立ち去ったのだけれど。 たった一目、それだけでも何故か深く印象に残ったその人の名前を知るのに、その後そんなに時間はかからなかった。 …というか、すぐだった。 .
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3338人が本棚に入れています
本棚に追加