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その日。
僕は放課後の図書室で一人、いつものように本を読んでいた。
バイトの時間まで付き合うと言っていた三津木は既に帰ってしまい、気付けば西日が室内をオレンジ色に染めている。
つい時間を忘れて夢中になってしまった、と本から顔を上げて窓の外を眺めると、同じくオレンジ色をしたグラウンドで野球部員達が片付けをしている姿が見えた。
壁に備え付けられた時計を見れば7時近く、そろそろ帰る準備をしなければ出遅れて学校に取り残されてしまう。
しん、と静まる室内。
校内のざわめきも既に無く、読み切れなかった分は明日にしようと本を閉じて席を立つ、と
がらり
音がして図書室の出入口の扉が開いた。
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