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「すみません。
すぐ出ます…!?」
背にした扉が開いて人の近づく足音に見回りの教師だろうと振り向き様口を開くと、僕の予想を裏切って有り余る程の意外な人物がそこにいた。
「し、まむら?」
「よ、御剣」
なんでどうして彼がこんな所にと、持っていた本を思わず取り落としそうになる程驚く僕とは対照的に、軽い笑みでこちらに歩み寄る嶋村。
「こんな時間まで読書?」
「ぁ…、うん」
「やっぱ本の虫なんだな、御剣って」
「…ぇ?」
「皆言ってるから。
てか、帰るとこ?」
聞かれて、そうだ、と言おうとしたけれど、嶋村が僕の立つ前まで来てしまって口篭った。
ただ、うん、と言えば良いだけなのに言えないなんて。
緊張しすぎだろ、僕。
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